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安藤 実香 ANDO MIKA
emoji書画
人間には言語思考者と視覚思考者に分かれているそうだ。私は文章を書いたり説明するのが苦手だが、現代アートで必然とされているステートメントを「苦手だもんね」と他者に指摘され妙に腑に落ちてしまった。私が言葉を書く時、何やらふわふわした所から今にも切れそうな一本の糸を紡ぐかのように言葉を引き出すような作業である。昔の絵師は言葉にできないイメージを絵として表現したが現代は言語思考者優位の社会であり、現代アートにおいては言語化する事が重要(もちろん作品の良し悪しは前提の上)だと言われる様になった。それは西洋文化を受け入れ、国際的なアート市場を目指すためには致し方ないのだ。
デジタル社会以前の手紙や手書きの文字で伝えていたニュアンスや感情のヒダを補足するかのように、文字自体の感情を無くしてしまったデジタル文字において顔文字は文字の感情を一手に支えているのである。それは相手の顔色を伺いながら生きている現代では、より鮮明に強烈に存在しているのだ。視覚思考者にとっては顔文字は何より親しみやすく寄り添ってくれる視覚的言語なのである。
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