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安藤 実香 ANDO MIKA
擬音山水図
オノマトペは現代社会の「感覚的に気持ちを伝えたい」という思い、そして日本人の音のない音を自然から読み取るという優れた能力から日本の文化でもある漫画の中では音喩(おんゆ)として確立し増長していった。
作品中に使用したオノマトペは、自然災害と人類の創り出した人災をテーマにした。古来自然と共存しながら生きていたが現代では共存から対峙へと自然に対する向き合い方も変容している。また自然に対する変化に伴い、我々の表現すべき書画も変わってくると考える。地球に住む以上に避けられない災害は益々脅威となり立ちはだかる。そしてそれらの前では人間は無力である事に目も向けずに最も優れた存在だと過信し続けているのであるまいか。
この作品は人間が制御できない自然またそれすらも制御しようとする人類との鼬ごっこのその先にある我々人類が発展の為に創り出した産物の脅威を警告している。そしてここに書かれるものは地球の近い未来でもあり目の前の現実であるのだ。
オノマトペという近代の文字と伝統的な山水画から発展させ「現代の書画」という表現形式を試みた。
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